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注目トピックス‍

OpenSeaが手数料無料に、競争激化するNFTマーケットプレイス

AIが起こすNFTへの新風

注目の資金調達

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注目トピックス

OpenSeaが手数料無料に、競争激化するNFTマーケットプレイス

コメント:宮本

NFTマーケットプレイスを提供するOpenSeaが2月18日、マーケットプレイス手数料を期間限定で無料にするなどといった運営方針の変更を発表しました。

OpenSeaはNFTを販売・購入することのできるマーケットプレイスです。2017年12月のサービス開始以来常に世界最大のNFT取引量を維持していましたが、今年2月15日には初めて競合NFTマーケットプレイスであるBlurがOpenSeaの1日あたり取引量を上回るなど、直近において競争が激化しています。

Blurがシェアを拡大した背景には、マーケットプレイス手数料が低く設定されていることやロイヤリティの設定方法が比較的自由であること、利用により独自トークンを得られることなどがあります。マーケットプレイス手数料について見てみると、OpenSeaは2.5%となっている一方で、Blurでは0%に設定されています。また、NFTを販売する際のロイヤリティの設定方法についても、OpenSeaではクリエイターが決定した料率で強制される仕組みを取っている一方で、Blurでは販売するユーザーが最低0.5%から料率を選択することのできる仕組みを取っています。これらの特徴から、NFTを販売するユーザーにとってはBlurを利用したほうがより高い販売益を得ることができるようになっていました。また、利用者に向けてBlurが発行するトークン「BLUR」のエアドロップ(配布)を実施したこともBlurのNFT取引量を増加させた要因となりました。

OpenSeaはクリエイター側がロイヤリティを設定すべきであると主張しており、Operator Filterと呼ばれるロイヤリティ支払いを強制するコードをNFTのスマートコントラクトに含めることを推奨しています。一方で、Operator FilterにはBlurなどの競合マーケットプレイスでの取引をブロックする機能も搭載されており、物議を醸しました。Operator Filter以外にもEIP-2981というロイヤリティ標準化規格をスマートコントラクトに記述することでオンチェーンでロイヤリティを設定する方法が存在しますが、こちらはマーケットプレイス側の対応が必要不可欠となっています。

今回の発表では、期間限定でマーケットプレイス手数料を2.5%から0%に変更すること、Operator Filterが含まれていないNFTのロイヤリティを最低0.5%から選択可能にすること、Operator Filterによる競合マーケットプレイスのブロック機能を解除することが明記されました。競合マーケットプレイスにはBlurも含まれていることや、期間限定ではあるもののマーケットプレイス手数料がBlurと同等に変更されたことから、今回の運営方針の変更はBlurの台頭を意識したものであると考えられます。ただしOperator Filterについては、競合マーケットプレイスをブロックする機能は解除されたものの、クリエイターが設定したロイヤリティを強制できる機能はそのままになっています。

このようなOpenSeaの動向への対抗策として、Blurは2月22日に公式Twitterアカウントにて、3億枚以上のBLURトークンエアドロップを追加で実施することを発表しました。また、競合マーケットプレイスを利用せずBlurのみでNFTを販売する場合にエアドロップ報酬が最大化される仕組みを採用することも合わせて発表しており、独自トークンによる囲い込みでのOpenSeaとの対決姿勢を明確にしています。

OpenSeaはBlurのようにトークンを利用した収益ポイントが存在しないため、マーケットプレイス手数料に頼った収益モデルを展開しています。期間限定であるとした手数料無料化を継続してBlurのようにトークンを導入し収益モデルの転換を図るのか、あるいはマーケットプレイス手数料を復活させて現行の収益モデルを継続した上で何かしらの新規施策を実行するのか、今後のOpenSeaの動向に注目したいところです。

AIが起こすNFTへの新風

コメント:中坪

最近、巷ではChatGPTを皮切りにAIブームが到来していますが、NFTの世界でもAIがこれから大きな波を起こしそうです。暗号資産情報プロバイダーのMessariが公表したレポートでは、この数週間のNFTに関連したトレンドが挙げられていますが、そのうちの一つがAIです。今回はAIにまつわるNFTを二つご紹介します。

一つ目はAIが生成したNFTです。AIによる画像生成も文章生成AIに並んで最近話題となっているトピックスですが、ChatGPTを提供するOpenAIが画像生成AIも開発していることはご存知でしょうか?その名も「DALL-E」はNFTクリエーターによる利用が拡大しており、類似のAIとともにアートNFTやゲーム上のアイテムNFTを数多く生成しています。このようなNFTプロジェクトの中でも興味深いのはBottoです。単にAIが自動で絵を描くのではなく、Bottoのコミュニティからフィードバックをもとに絵を描き、それに対するさらなるフィードバックを受けて継続的に修正しより良い作品を生み出すのがBottoの特筆すべき点です。これまでに60を超える作品が作られており、700ETH(執筆時点のレートで約1億4千万円)近くの収益を上げています。

二つ目はAIが組み込まれたNFTです。この背景にはAIベースのアルゴリズムを用いることで、単に静止画の作るのではなく、よりインタラクティブなNFT作品を作ろうという動きがあります。例えばAlethea AIがローンチしたCharacterGPTは、ユーザーがテキストベースでNFTに組み込まれたAIとやりとりを通して、NFTが独自のキャラクターを持つというものです。クリエイターが訓練を重ねることでその個性は継続的に進化していきます。また、Altered State Machineが開発した同様のアイテムNFTはアイテムの使用を通してゲームやアプリからスキルを習得しアイテムが変化していくという特徴を持っています。

このようにAIとNFTの組み合わせは、クリエイターあるいは所有者との相互作用を生み出し新しい芸術作品のあり方を見せてくれます。また、NFTの元来の特徴である唯一性と所有権を検証できることを活かし、組み込まれたAIのアルゴリズム自体を特許のようにNFTに記録するという利用法も広がりつつあります。AIブームと合わせてNFT産業の盛り上がりに期待です。

注目の資金調達

Towns

概要:web3チャットプロトコル

調達額:2550万ドル

ラウンド:シリーズA

主な出資者:a16z

web3プロジェクトのコミュニティメンバーが自由にやり取りできるグループチャットプロトコル。DiscordやTelegramといった既存サービスに依拠することなく、任意のルールが定められたチャットスペースを作り出すことができる。現在はEthereumテストネット上でα版を稼働している。

Kratos Studios

概要:インドのweb3ゲームスタジオ

調達額:2000万ドル

ラウンド:シード

主な出資者:Accel、Prosus Ventures、Courtside Ventures、Nexus Venture Partners、Nazara Technologies

インドを拠点とするweb3ゲームスタートアップ。直近、創設者を同じくするIndiGG DAO(Yield Guild GamesのサブDAO)を統合した。HPが存在せず詳細は不明。

Worldwide Webb

概要:web3 MMORPGゲーム

調達額:1000万ドル

ラウンド:シリーズA

主な出資者:Pantera Capital

ピクセルアートの世界で遊ぶ多人数参加型のオンラインロールプレイングゲーム。ユーザーはウォレットを接続することで誰でも参加することができ、アバターで様々なクエストをクリアすることでアイテム等が得られる。LAND所有者は自らの土地を使ってクエストを作成したり、アイテム屋などを運営したりすることができる。

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注目のWeb3関連サービス

web3ネイティブなコミュニティチャットアプリSending.Me

現在、web3ユーザーの多くはTelegramやWhatsAppなどでコミュニティ内のやりとりをしており、運営企業に個人情報やテキストデータの管理を委ねています。今回はそのようなweb2.0的な在り方から脱するweb3通信プロトコルを開発しているSending.Meを紹介します。

企業概要

2021年設立。米国のニューヨーク州を拠点とするweb3スタートアップ。オープンでセキュアなweb3通信プロトコルを開発し、web3プロジェクト向けにコミュニティチャットアプリを提供している。

直近2023年2月にシードラウンドで1250万ドルをSignum Capital、Insignia Ventures Partnersなどから資金調達している。

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バックナンバーレポート

web3・メタバース関連

「GameFiとはなにか――DeFiの重要性と課題、CEXの役割」

「VR普及はいつ頃達成されるのか?―現状の問題点と関連技術を探る」

マーケット関連

「PAVA指標のレイヤー1トークンへの適用可能性の検討」

「金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用」

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